部屋の色彩
朝4時の紺に近い青から、4時半にかけて変わる、プールの底のような水色の空。それからもっと白くなっていって、朝。それまでの間、その間には鳥が鳴いている。どんな心情だったとしても心地よく感じられる短く高い声で。
瞬きのあいだ
朝眠くて目を瞑ったときほんのひと場面の夢を見て、それを無意識に日記に書いていた。その時の会話。
「ねえ、もし子供を産むのなら、好きは押し付けるんじゃなくて子供にとって響くものでないといけないね」
「響くもの。そうだね。」
未来へ!
相米慎二「お引越し」を観る。
進めば進むほど映画の雰囲気が変わっていって驚き。非常に波のある映画だった。
主人公のレンコは思うだけじゃなくて本当に実行する、子供ながらの危うさがある。小さい頃から今まで、私たちはそう言う場面に出会った事があるんじゃないだろうか。例えば、静かな教室でいきなり声を出したらどうなるかとか、料理包丁で指を刺したら、とか。やったらどうなるかな、の狭間にいる私たちに対して、レンコは本当に行動に移してしまう。それが家族に突風を巻き起こすことになる。
クライマックスで繰り返された「おめでとうございます、おめでとうございます!」が印象的。過去の私、おめでとう!もう大丈夫。だって未来へ向かっているから。そういうことなのかな。
鶴瓶扮する先生、いじめられっ子の女の子、良い。ダメダメな父親の中井貴一、最高。
突然始まる雨の演出、繰り返し出てくるオレンジジュース、下から見上げる洗濯物。とっても映画的だと思う。手放しで称賛!て訳ではないけど、なんだか印象に残って、後からじわじわと大好きになっていく不思議な映画なのでした。