未来へ!

相米慎二「お引越し」を観る。

進めば進むほど映画の雰囲気が変わっていって驚き。非常に波のある映画だった。

主人公のレンコは思うだけじゃなくて本当に実行する、子供ながらの危うさがある。小さい頃から今まで、私たちはそう言う場面に出会った事があるんじゃないだろうか。例えば、静かな教室でいきなり声を出したらどうなるかとか、料理包丁で指を刺したら、とか。やったらどうなるかな、の狭間にいる私たちに対して、レンコは本当に行動に移してしまう。それが家族に突風を巻き起こすことになる。

 

クライマックスで繰り返された「おめでとうございます、おめでとうございます!」が印象的。過去の私、おめでとう!もう大丈夫。だって未来へ向かっているから。そういうことなのかな。

鶴瓶扮する先生、いじめられっ子の女の子、良い。ダメダメな父親の中井貴一、最高。

突然始まる雨の演出、繰り返し出てくるオレンジジュース、下から見上げる洗濯物。とっても映画的だと思う。手放しで称賛!て訳ではないけど、なんだか印象に残って、後からじわじわと大好きになっていく不思議な映画なのでした。

 

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